2020年5月31日日曜日

VIX取引バックテスト結果 2020年版(第4回)


第1回はこちら
前回記事はこちら
※全編にわたり、正確性は保証できません。理解も記憶もあいまいです。

今回はVIXロング戦略の最適な取引ルールを検討したいと思います。

【追記:米国VIの理論値の計算を間違ってしまい、これ以降の全ての数値が違います。話半分で読んでください。(致命的なミスですが、記事を直す気力はありません。)】

結論から書くと、

●シグナル
VIX指数が米国VIに比べて2%以上高くなったら米国VIの買い。

●例外
コンスタント・マアチュリティが60以上になったら、シグナルが点灯していても決済。

としました。
※ここでの「コンスタント・マチュリティ」とは、VIX先物の第1限月と第2限月を合成したものをいいます。

バックテストでは、この条件だと年率67.3%(複利)となり、約16年間で1万ドルが約3,889万ドルになりました。
※実際にはバックテスト通りには取引できません。

疲れてきたので、ざっくり書きます。


米国VIの理論価格とNAV(基準価格)の算出


第1回で買建(ロング)は米国VIですることにしたので、まずは米国VIの理論価格を算出します。
米国VIは毎月第2水曜日に当月限から期先にロールオーバーする(乗り換える)ので、残存期間5日で乗り換えるということで試算しました。実際には祝日があると違いますが、気にしません。

米国VIの理論価格を算出した後は、2004年の先物取引開始日を1万として、ロールオーバーするとコンタンゴで減価(バックワーデーションで増価)する擬似的なNAVを算出しました。


最適なシグナルを確認


まずは、「VIX指数× n > 米国VI 」を見てみます。参照原資産が常に先物の第1限月というわけではないので、米国VIの価格そのものと比較しました。
青線が年間リターン(複利)で、オレンジ線が1取引の最大損失率です。



nが1%違うだけで、結果が大きくことなるため、ショートよりも繊細で難しい印象です。
次に、コンスタント・マチュリティです。
青線が年間リターン(複利)で、オレンジ線が1取引の最大損失率です。



ショートとは逆で、コンスタント・マチュリティを使用すると非常に悪い結果になりました。
ちなみに第1限月の先物価格でも比較しましたが、いい結果は得られませんでした。

一番リターンがよかった米国VIのn=1.02 のポジション保有日数は 1,373日でした。(長い気がする)
そして、VIXショート戦略で決めた取引ルールのポジション保有日数は 2,569日でした。
このうち、ポジションが重なる日(=ロングとショートを両建てする日)が合計 697日もありました。
シグナルが両方とも出た場合は、ショートを優先したり、ノーポジにするなど最適な方法を次回検討します。


損失を減らすには


とりあえず、一番リターンがよかった米国VIのn=1.02 の時の損益率の散布図を見てみます。

まず、横軸に新規買建した時点の米国VIをとりました。


損失を出したポジションとの相関は見られません。



次に横軸に新規買建した時点のコンスタント・マチュリティを取りました。損失を出したポジションとの相関は見られません。

最後にコンタンゴ率で見てみます。


線に傾きが生まれ、相関が見られますが、コンタンゴ率がマイナス(=バックワーデーション)のときも大きく利益が出ているので、下手なことをしない方がトータルで利益が増えます。

一応、米国VIのn=0.91 近辺も安定して利益が出ているため、その損益率の散布図も見てみましたが、特に相関は見つけられませんでした。

このままだと結構な頻度で大損するため、メンタル的に継続的な取引は困難だと思います。


利益を増やすには


利益を増やすためには、○○ショック時に頂上付近で手放すことが必要です。

まず、リーマンショック時は資産を3.8倍に増やしていますが、だいぶ峠を超えてから決済しているので、頂上で決済したいところです。
ショート戦略との整合を取るためにも、コンスタント・マチュリティが60以上になったら手仕舞いという例外規定を作ります。
この場合、資産は3.8倍で変わりませんでした。約2ヶ月の長期ポジションで、強いバックワーデーションの追い風があったので、頂上付近で利確しなくても、大きな利益が出せていました。

VIXショックでは、資産を1.4倍に増やしています。

コロナショックでは、資産を2.7倍に増やしているものの、2020/2/21からのポジションを2020/4/17の最終日も保有し続けているので、適切な戦略とは言えません。
これも、コンスタント・マチュリティが60を超えたら手仕舞いという例外規定を適用した場合、資産を5.2倍に増やせました。


まとめ


●シグナル
VIX指数が米国VIに比べて2%以上高くなったら米国VIの買い。

●例外
・コンスタント・マアチュリティが60以上になったら決済。



第5回へ続く
(朝令暮改タイプなので、取引ルールを決めても、決めた通りに取引できない可能性が高いです。)