2020年5月24日日曜日

VIX取引バックテスト結果 2020年版(第3回)


第1回はこちら
前回記事はこちら
※全編にわたり、正確性は保証できません。理解も記憶もあいまいです。

今回はVIXショート戦略の最適な取引ルールの例外を検討したいと思います。

結論から書くと、

●例外
コンスタント・マチュリティが60以上の場合、シグナルが点灯していなくても米国VIブルETF(UVXY)売り。その後、シグナルの点滅があっても、30を下回るまで決済しない。その際、レバレッジは1倍とする。

となりました。

バックテストでは、この条件を加えると、年率67.7%(複利)となり、約16年間で1万ドルが約4,042万ドルになりました。
※実際にはUVXYは売禁になることが多いので、バックテスト通りにはいきません。


利益を増やすには


(今回のコロナショックで自分が出来なかったことですが、)○○ショックで上値が限られる場面では、シグナルが出ていなくても新規売建すべきだと思います。
まず、過去のコンスタント・マチュリティの推移を見てみます。



強制的な新規売建の基準を35あたりの中途半端な値にすると、コロナショックやリーマンショックでやられるため、60で試算してみました。当初は50にしようかと思いましたが、(たった2回の実績ですが、)50を超える時は必ず60も超えているため、60にしました。もっと細かく65にしようかとも思いましたが、実績が2度のみのため、過去の実績に細かく合わせると、オーバーフィッテイングになりそうですし、建値60は十分素晴らしいポジションなので、60にします。

例外規定を儲けない場合、リーマンショック期間(便宜的にコンスタント・マチュリティが終値で30を超えてから30を下回るまでの約8ヶ月間半とした。2008/9/29から2009/6/12)のリターンは、26でした。

この期間に、「コンスタント・マチュリティが60以上になったら、新規売建し、その後、30を下回るまで決済しない。(レバレッジ1倍)」という条件で取引すると、65のリターンでした。ロスカットにも余裕を持って対応できています。

ちなみに、VIX指数ベースで取引すると全損でした。あくまで取引しているのは先物なので、指数をみて売買するとUVXYが上がる前にポジションを持ってしまい、その後の暴騰で痛い目を見ます。(戒め)

一応、20まで決済しないパターンも計算しましたが、30あたりが一番よさそうでした。
ロングは3倍にだってなりますが、ショートは利益率99.9...%が限界なので、ある程度で決済してポジションを取り直したほうがリターンがいいようです。

ロスカットレートはざっくり計算すると、レバレッジ1倍で、コンスタント・マチュリティ 100相当まで耐えられるので、十分だと思います。

コロナショックで同様に計算すると、通常のシグナルは1度も出なかったため、リターン0%でした。
例外規定を実施した場合は、リターン50%でした。(2020/4/17に強制決済)

まだ他にも、通常時の決済の基準も改良の余地があるかもしれませんが、これが非常に難しいです。
損失はもっと早く切り、利益はもっと伸ばしたいので、シンプルでいい手法があれば、是非教えて下さい。


レバレッジは何倍まで掛けられたか


ロング戦略と一緒に考えてみます。


懸念


UVXYの理論値(NAV)とマーケットの乖離を見ると、結構ひどい時期があります。
2018年2月5日のVIXショック時は105.92%、2月8日は-9.29%を記録しました。最近の乖離率は低いものの、相当の余裕を持ってロスカットレートを設定していないと、いつか寝首を掻かれる気がします。



まとめ


●シグナル
コンスタント・マチュリティがVIX指数に比べて6%以上高くなったら米国VIブルETF(UVXY)売り。

●例外
・コンスタント・マチュリティが60以上の場合、シグナルが点灯していなくても米国VIブルETF(UVXY)売り。その後、シグナルの点滅があっても、30を下回るまで決済しない。その際、レバレッジは1倍とする。



第4回へ続く