2017年3月27日月曜日

高塩基度PACとは何か?


■ PACとは


PACとは、水道用凝集剤の一種で、主に浄水場で原水(川や井戸の水)の汚れを取るために、原水に加えるものです。日本の水道用凝集剤使用量の約9割を占めるのがポリ塩化アルミニウム(略称PAC)です。
PACを原水に加えると、プラス電荷をもつ水酸化アルミニウム水和物を生じます。水中のゴミはマイナス電荷を持っているので、ゴミが回りに集まって大きくなり、重さで沈み、きれいな上澄みをろ過して塩素を加えたものが水道水となります。

今、日本の浄水場の水処理方法の主流となっているのは、急速ろ過と呼ばれる仕組みで、最新の方法が膜ろ過ですが、急速ろ過だけでなく、膜ろ過方式でも量は少ないものの、凝集剤を使用します。


■ 超高塩基度PACとは


通常、45%~55%程度の塩基度のPACを使用するのが一般的ですが、一般的に、塩基度60%程度を高塩基度PAC、70%程度を超高塩基度PACと称されています。

超高塩基度PACの特長は、主に次の6つがあります。
①原水の適用pHの範囲が広いので、大雨後などpHの急激な水質の変化に耐えられる
②通常のPACよりも、同じ注入率であれば除濁効果に優ている
③アルミニウム低減効果が高い。(処理水中の残留アルミニウム濃度が低い。特に弱アルカリ性域でその傾向が強い。)
④配管内の析出物ができにくい
⑤寒冷地や冬季での低水温や低アルカリ度水でも、凝集効果は著しく低下しない
⑥凝集剤注入によるアルカリ度低下が抑制される
※実際には原水水質の特性により効果は変わる。


多木化学が開発・製造し、従来から市場に供給されていましたが、ここ数年で日本軽金属㈱などの他社も製造するようになり、全国的に採用を進める浄水場が増えています。

また、高塩基度PACは一般的に価格が高価です。
しかし、超高塩基度PACを使用すると、PACや硫酸などの薬品使用量を減らすことが出来るので、超高塩基度PACが高価でも、全体でみるとトントンくらいにはなるようです。

高塩基度PACのもう一つの大きな特長は、従来のPAC注入設備と互換性を有する点です。通常のPAC注入設備をそのまま利用できるため、移行しやすい点が大きな特長のひとつです。


■ 近況


鎌倉新書100株の指値が刺さってしまい、1110円台で売れてしまいました。約15%の利益でした。残り500株は大切にしたいです。

また、今年の目標はNISAで米国株を買うことですが、いつまでもドル転できないので、日本石油資源開発と、国際石油開発帝石が気になっています。
多くの投資家の2017年のWTIの予想が1バレル45ドル~55ドル程度なので、買ってもそんなに上がらなさそうなので、急いで買う必要はありませんが、数年後に「あの時に買っておけば良かった」と思いそうなので、監視しておこうと思います。