2016年8月22日月曜日

手帳のモレスキンは上場している (MOSKY)


モレスキンとは、ブランド物の手帳です。昔は、ゴッホなどが使っていたようですが、今販売中のものは復刻版です。その企画・販売をしているモレスキン社がイタリア証券取引所(Borsa Italiana)に上場していて、ADRもあります。


モレスキン(Moleskine)は、イタリアのモレスキン社(Moleskine, 旧社名:Modo & Modo)が販売する手帳のブランド。撥水加工の黒く硬い表紙と手帳を閉じるためのゴムバンドが特徴である。かつてはモールスキン、モレスキーネという呼称も一般的ではあったが、現在日本ではヨーロッパでの発音に合わせてモレスキンと呼ばれる。
オリジナルのモレスキンは19世紀後半、フランスはトゥールの製本業者によって手工業で作られた。パリの文房具屋で販売され、ゴッホ、ピカソといった多くの有名人が使用していた。最も有名なモレスキンのユーザーはイギリスの紀行作家ブルース・チャトウィンで、作品にもよく登場する。
1986年に生産を終了、長らく入手不可能であったが、1998年に復刻され、現在はモレスキン社によって販売されている。オリジナルのモレスキンとモレスキン社のものは同一ではないが、現在でもカルト的な人気があり作家・ジャーナリスト・画家・ビジネスマンなどに幅広く使用されている。また、モレスキン社ではモレスキン・ブランドの多くの製品を販売している。
モレスキン社の誕生は1997年、副社長のマリア・セブレゴンディは「製品には“物語”があることが重要である」とし、ゴッホやピカソらが使っていたものに似せたノートを売り出すことを思いつき、高価なノートをマスメディアの広告を使用せずに、最近5年では平均26%の売上を記録し、年間1300万冊(2010年)売り上げている。
 -Wiki


このページにIRのプレゼンテーション資料が載っていますが、スライドによると、

・グローバルな文房具市場は平均5%ずつ成長している。
・その要因は、教育レベルの向上、都市人口の増加、可処分所得の増大です。
・ターゲット層におけるブランド認知度は、欧米では5割~7割程度。日本では25%です。
・ネット収益は、2010年 53.4Mユーロから2015年 128.1Mユーロと大幅に伸びた。
・文房具屋や本屋などでの販売から、ネットショップと直販店での販売に移行しようとしている。
・現地通貨ベースで、全地域での売上が伸びている。
・2011年からは、今までの手帳一本から、カバンやその他文具も含めた品目に多様化しようとしている。
・近年の目玉としては、ジュネーヴ国際空港内に開いたモレスキンカフェで、認知度向上を図っている。ミランにもあるらしい。
・2016年上半期は、売上は前年同期比12.3%のプラス、EBITDAは6.4%のプラス。
・営業キャッシュフローは、調整後EBITDA 42.5Mユーロに対して、28.1Mユーロだった。

ちなみに私の和訳は超テキトーなので、信用しないで原典に当たって下さい。

ADRのティッカーは、MOSKY
イタリアでのティッカーは、MSK
正式な会社名は、Moleskine S.p.A.です。

ユーロ建てのチャートはこちら
 http://www.bloomberg.com/quote/MSK:IM
・2014年末に1ユーロを割り込みましたが、今は2ユーロ台を回復しています。
・配当利回り 2.18%
・PER 16.3倍


文房具市場は既に衰退に入っているかと思っていましたが、グローバルで見るとまだ成長市場なんですね。モレスキン自体も伸びているし、結構いいビジネスしています。
プレゼンの資料を見るだけで買いたくなっちゃいますが、市場が年5%しか拡大しない点と、5年後~30年後にはさらにデジタル化が進んでいること考えると、相対的にいい業界とは言えないので、購入しないこととします。

なお、イタリアの証券市場では、かなりの流動性がありますが、ADRの流動性はとても悪いので、買うならIB証券から直接イタリアで買った方がいいと思います。