2020年6月7日日曜日

VIX取引バックテスト結果 2020年版(第5回)


第1回はこちら
前回記事はこちら
※全編にわたり、正確性は保証できません。理解も記憶もあいまいです。

ここまでVIXショート戦略とVIXロング戦略を検討した結果、次のシグナルに基づき売買するのが最適だという結論に達しました。

●売りシグナル
コンスタント・マチュリティがVIX指数に比べて6%以上高くなったら米国VIブルETF(UVXY)売り。シグナルが点灯しなくなったら決済。

●売り例外
コンスタント・マチュリティが60以上の場合、シグナルが点灯していなくても米国VIブルETF(UVXY)売り。その後、シグナルの点滅があっても、30を下回るまで決済しない。その際、レバレッジは1倍とする。

●買いシグナル
VIX指数が米国VIに比べて2%以上高くなったら米国VI買い。シグナルが点灯しなくなったら決済。  
●買い例外
コンスタント・マアチュリティが60以上になったら、シグナルが点灯していても決済。

しかし、まだ検討事項が残っています。
・売りと買い両方のシグナルが出ている時にどうするか。
・資金管理をどうするか。(レバレッジをどうするか。)
・税金を考慮したバックテスト結果
・電卓を叩かずにシグナルを確認する方法


売り買い両方のシグナルが出ている時


ショート戦略とロング戦略で見ている指標が異なるため、両方のシグナルが出ることがあります。
この時考えられるのは、
①両建て
②ショート優先
③ロング優先
④ノーポジ
の4つです。

資金的に2つのポジションを同時に建てるには、レバレッジ2倍以上が必要ですが、VIXショックの時は、レバレッジ1倍でもショートはロスカットにあっていたくらいなので、①両建ては計算していません。
また、ノーポジは機会を逃すので、計算しません。

「②ショート優先」と「③ロング優先」を確認したところ、意外にも成績がいいのは「③ロング優先」となりました。年間リターン(複利)は、「②ショート優先」90.3%に対して、「③ロング優先」165.6%でした。

「③ロング優先」の場合、1取引あたりの最大損失率は25%、約16年間で取引回数は583回、資産は約6,505,654倍、100万円が約6.5兆円になる計算です。有り得ないですね。


レバレッジは何倍まで掛けられたか


ここまでは、毎回資金の全額を投資する前提でしたが、現実的ではないので、多少のレバレッジを掛けて、残りを余力として持っておく戦略を考えてみます。

カジノのブラックジャック必勝法(カード・カウンティング)の賭け金の基本は、「賭け金は予想勝率が上がれば上げ、下がれば賭けから降りる。予想勝率に応じた最適な金額を賭ける。」ことらしいです。
この考え方がとてもしっくりくるので、VIX取引にも利用したいのですが、根本的に相場の世界で勝率をどう予想すればいいか分かりません。
Pythonで機械学習でもさせれば、勝率(期待値)を出してくれるんでしょうか。

とりあえず、取引1回あたりの最大損失率(25%)は決済時点なので、終値と場中でどのくらい含み損を抱えるか、ざっくり計算してみました。
終値ベースでは含み損で最大-36%の時がありました。
場中はデータを持っていないので分かりませんが、過去1年間のUVXYの高値/終値を見ると、最大で38%高の日がありました。よって、場合によっては、場中に-50%以上の含み損を抱えることが考えられます。これだとレバレッジ2倍以上だと耐えられません。

終値ベースで10%や15%の含み損を抱えたら、損切りしたらどうかと思いましたが、下手に損切り(損失確定)させない方が、リターンがよさそうでした。

よって、いい手が思い浮かばないので、常にレバレッジ1倍で投資することにします。(実際には、例えば米国VIが15の時にロングした場合は、ロスカットレートを8にするなどして、現金は確保しておこうと思います。)

ちなみに、VIXショックの時は、売りシグナルが出ていなかったので、影響を受けませんでしたが、もし全力でショートポジションを持っていた場合、レバレッジ1倍でもロスカットにあっていました。
VIX取引にありがちな「コツコツドカン」ですが、こうならないためには、例えば100万円が300万円になったら、元金の100万円を抜いて200万円で取引するなどの自衛措置が必要かもしれません。


税金を考慮したバックテスト結果


上に記載の前提でバックテストを実施すると、年間利益(複利)165%、資金6,505,654倍になりました。
大雑把に毎年の年度末に利益が出ている場合は、利益から2割を引いて計算し直すと、年間利益(複利)138%、資金1,147,188倍に減りました。(損失の繰越は考えていない)
今年は大損しているので、問題ありませんが、もし今後利益を出せた場合、納税を先送りするために、CFDを両建てしてあえて損失を出す手法の実施を検討してもいいかも知れません。(取らぬ狸の皮算用)


手法の陳腐化


今まで、損益率ばかり見てきましたが、資金の推移をグラフで書くと、こうなります。始点は1です。


2017年頃から伸び悩んでいます。何が原因か分析できていません。
対数目盛では分かりにくいで、線形目盛にしましたが、2018年2月にピークをつけた資金が2020年2月のコロナショックで救われる直前までに35%まで減っています。最大ドローダウン率65%です。



縦軸は損益率、横軸は時系列

ここまで、第1回から長々書いてきましたが、実際に取引していた場合、2017年以降の損失の積み重ねで、途中で確実にメンタルがやられて、取引を辞めていたと思います。


まとめ


5回に渡って長々と分析をしてきて、平均年利138%(複利)の方法を見つけましたが、2017年に風向きが変わって以降は、最大ドローダウン率が高く、リターンが低い状況が続いています。
2017年以降は、プレミアム率(ディスカウント率)を何%に調整しても、せいぜい30%程度のリターンしか得られないという結果になっています。これだと一発全損リスクに見合っていません。
ボロ儲けなのを知り、多くの投資家が同じ投資行動をした結果、リターンが下がったのでしょうか。

正直、リスクリターンが見合っていませんが、せっかくやる気が出てきたところなので、新たに使えるシグナルが見つかるまでは、2017年以降のデータで数値を調整した右のサイドバーに記載のシグナルを基準に少額で売買してみたいと思います。


2 件のコメント:

  1. 靴磨きの中年2020年6月8日 14:05

    誤 米国VIベアETF(UVXY)
    正 米国VIブルETF(UVXY)

    ベアはSVXY

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    1. ありがとうございます。修正しました。

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