2022年12月24日土曜日

VIXショート出来ないなら日経平均VI先物を売ればいいじゃない


ふとそう思いました。

■日経平均VI先物とは

「日経平均VI先物(NKVI)」は2012年2月27日に始まった「日経平均株価のオプション取引から算出された日経平均ボラティリティー・インデックスの先物」です。
VIXがS&P500のボラティリティなのに対し、日経平均のボラティリティを売買することができます。

今まで「日経平均VI」を聞いたことはありましたが、先物があるとは知りませんでした。


■取引できる証券会社

「日経平均VI先物」を取引できるのは、たったの6社だけです。

インタラクティブ・ブローカーズ証券

国内口座。特定口座はなし。手数料440円/枚。
API接続可能で自由なシステムトレードができる。


SBI証券

手数料440円/枚。
日経平均VI先物の売建と買建は、合わせて20枚まで。(審査に通れば引き上げ可能)
SBI証券が接続を認めたサードベンダーが提供しているツールを通じてAPI接続可能なので、制度的にはシステムトレードが出来る。ただし、HPには全銘柄対応と書いてあるのに、実際にはツールの方が日経225先物しか対応していないので「日経平均VI先物」は対象外。


auカブコム証券

手数料330円/枚。
日経平均VI先物の売建と買建は、合わせて20枚まで。(審査に通れば引き上げ可能)
kabuステーションAPIでシステムトレード可能。


岡三オンライン証券

手数料330円/枚。
建玉上限200枚。
API接続不可。


フィリップス証券

手数料330円/枚。
日経平均VI先物の売建と買建は、それぞれ100枚まで。
チャートツールにストラテジー取引機能があるらしい。


光世証券

手数料は最低440円。
一回当たりの注文上限枚数:50枚
建玉上限枚数 500枚(買建・売建合計1,000枚)
API接続不可。


■出来高の少なさ

「日経平均VI先物」は、全限月で取引が成立しない日もあるくらい出来高が極端に少ない銘柄です。(マーケットメーカーはいる。)
2015年には1日平均 1,000枚の取引があった時期もありましたが、今では1日平均 15枚です。
11月には建玉残高が 36枚の日もありました。ほぼ誰も持ってない。

SBI証券だと直近8ヶ月分の先物を取引出来ますが、取引が成立しているのは、ほぼ第1限月のみです。第4限月以降は1枚も取引が成立していません。第3限月は1枚のみ。第2限月の取引が成立したのは、現時点で計6日、計14枚のみです。

下の画像は期近の1月限の先物の初期の頃の取引成立日ですが、12月に入ってからやっと毎日取引が成立するようになっています。



元となっている日経平均オプションの方も閑散としているようです。
「日経平均VI先物」の最終清算数値(SQ値)は、日経平均先物取引と日経平均オプション取引の日中立会開始以降の 10 分以内における各銘柄の始値を用いて計算していますが、取引が閑散としすぎて始値が付かずに、指数とSQ値の乖離が大きくなることがあるため、2023年3月限から 10 分→ 30 分に変更されます。

出来高が少なく板がスカスカなので、スプレッドが広く、実質的な取引手数料が高い状態です。

ただし、GMOクリック証券の「米国VIブルETF(UVXY)」も往復 3%近い手数料(約 7ドルに対してスプレッド 0.2ドル)を取られているため、日頃気にしてないだけで、普通にいつもぼったくられています。


■ヒストリカルデータ

「日経平均VI先物」のヒストリカルデータ(時系列データ)は、SBI証券auカブコム証券のチャートツールからCSVでダウンロード出来ます。(知りませんでしたが、日本株の個別株の時間足なども普通に保存出来るんですね)

ただし、試してみたSBI証券では、現在取引可能な限月の先物のみデータ取得が可能で、過去の先物データは「第1限月」を繋げたデータのみしか保存出来ませんでした。これだとロールオーバーコストを考慮出来ません。(指数を精算値と考えると乖離が大きい)

第2限月を繋げたデータなら TradingView にあるのですが、 TradingView の「チャートデータをエクスポート」というCSVでヒストリカルデータを保存出来る機能は、無料アカウントでは使えず、有料プランにアップグレードが必須でした。
また、TradingView にストラテジーを登録して直接バックテストをする機能は、簡易的すぎてロスカットを考慮することが出来ません。
だからといって、常に満期30日に調整された先物インデックスを元データにしても、現実のトレードで毎日手数料を掛けてそんなことをしないので、現実的なシミュレーション結果は得られません。

一応 JPX公式サイトで販売はされています。
四本値(始値、高値、安値、終値)+ 清算値段、取引高、建玉残高、取引金額等が1月あたり 88円です。CBOEなら無料なのにケチくさい。
けれど、2012年から買っても 1万円程度です。そう考えると高くはない。
(一応、取引手法検証用サンプルデータは無料で配っているようですが、法人でないとダメなようです。)

ティックデータなら 187円/月で、こちらは逆にCBOEと比べてすごく安いですが、ほとんど流動性がないので、四本値があれば十分ですね。

JPX以上に私のほうがケチくさいので、どなたかいいデータを見つけたらGoogleスプレッドシートにあげて横流しして下さい。

まあリーマンショックを経験してない金融商品なので、ヒストリカルデータを集めて検証しても有用な分析が出来るのかは疑問ですが、シミュレーションしてみたいです。



■ちなみに

「日経平均VI先物」にも VIX Central みたいなコンタンゴ/バックワーデーションを確認できるサイトがあれば便利なのになと思って、価格情報を配信する料金を調べてみたら、外部配信基本料込みで月50万円くらい掛かるようです。
需要がないので、広告料で取り戻せないから誰もやらないんでしょうね。

→証券会社にログインしなくても みんかぶ で直近3限月は見られました。




それと、今年の3月までは日経平均ボラティリティー・インデックス先物指数に連動するETNがありました。
野村證券が組成していた「NEXT NOTES 日経平均VI先物指数 ETN(2035)」です。
2049を彷彿とさせますね。
これは2022年3月17日をもって上場廃止となりました。


■さてどうするか

誰も関心を持っていないからこそ、路地裏に捨てられた聖杯があったりしないでしょうか。

今までVIXショートをしていたせいで、2018年2月の「VIXショック」では 2049 が早期償還となり 150万円を溶かし、2020年3月には米国VIブルETF(UVXY)で 600万円くらい溶かしました。

もちろん聖杯なんてないでしょうし、仮にあっても探し出す能力がないのは解っているんですが、それでも、VIX関連に聖杯がある気がするんですよね。たぶん room5110 のせいです。

この新しいオモチャでも数百万円を損する気がしてなりません。手を出したら負けなんでしょう。
それでも取引したい自分がいます。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿